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3月18日、手術の日が決まった。
費用は手術代22万円+上部構造20万円で、合計42万円。
あとで調べたら、医療費控除で数万円が戻ってくるらしい。
60代の俺が、手術前夜に考えたことを書く。
先に答えを書いておく。年金だけで暮らす人(総所得150万円)が44万円を払った年なら、医療費控除で戻るのは所得税と住民税で約5万5千円だ。計算は下の表に書いた。
準備:仮歯は「設計図」だった
インプラントを決めたあと、すぐ手術かと思っていたら違った。
まずは仮歯から始まる。
仮歯はプラスチック製の一時的なものだという。
だが、ただの仮ではない。
噛み方や当たり方を見て、最終の歯の形を決めるための「設計図」のような役目があるらしい。
インプラントは天然歯と違って動かない。
だから力が一点に集中しないよう、両脇の歯との当たり方を調整しているという。
見た目よりも「力の分散」を優先する——長く使うための設計なのだと知った。
治療期間と術後のこと
骨と土台が結合するのは、3ヶ月か、6ヶ月か。
時間ではなく、本当に一体化したかどうかで決まるらしい。
医療は「日数」ではなく「状態」で進むものだと知った。
手術時間や術後のことは、その場では聞き忘れた。
あとで調べたら、手術は1時間前後が一般的らしい。
術後は数日、手術した側で噛まないことと安静が必要だという。
手術前夜の話
3月17日の夜。
明日が手術だと思うと、やっぱり落ち着かない。
口の中をいじられるのは、何歳になっても怖い。
歯医者の椅子に座るだけでも緊張するのに、今回は手術だ。
骨を削って、インプラントの土台を埋め込む。
文字にするだけで重い。
妻に「明日、手術だからな」と言った。
「大丈夫でしょ」と返された。
軽い返事が、逆にありがたかった。
深刻な顔をされたら余計に不安になる。
怖さは、正直に言えばゼロではない。
だが、ネットで調べたら、特別なことではないようだ。
麻酔をして処置をする。神経の治療や抜歯と大きく変わらないという。
大げさに考えすぎない方がいい——そう思うようになった。
いまの怖さは、少し。
それよりも、早く終わってほしい気持ちの方が大きい。
不安より、前に進みたい。
ここまで来たら、もう迷いはない。あとは体調を整え、3月18日を待つだけだ。
ネットで調べすぎた
手術前に、ネットでインプラント手術の体験談を読み漁った。
これがよくなかった。
「思ったより痛くなかった」という人もいれば、「術後が地獄だった」という人もいる。
読めば読むほど不安が増える。
途中でスマホを閉じた。
術前の注意事項も確認した。
前日は飲酒を控える。
当日は軽めの食事を済ませてから来院する。
血圧の薬はいつも通り飲む。
激しい運動は術後1週間は避ける。
考えても仕方がない。
先生を信じるしかない。
何十件もやっているプロだ。
こちらは初めてだが、向こうは日常の仕事。
そう思うようにした。
それでも夜中に一度目が覚めた。
手術の日はいつもこうだ。
42万円の覚悟
手術代22万円と、その後の上部構造で約20万円。
合計42万円。
年金生活者にとって、軽い金額ではない。
だが歯は毎日使うものだ。
入れ歯にして毎食のたびにストレスを感じるか。
42万円払って俺の歯のように噛めるようになるか。
この先20年使うと考えれば、1年あたり2万円ちょっと。
月にすれば1,800円弱。
そう考えたら、払えない金額ではなかった。
この選択が正しかったかどうか。
それはまだ分からない。だが――
俺の歯で噛める時間を守るための選択だった。
――この続きは、また書こうと思う。
金額の話を、正直に書いておく
医院で言われた金額は40万円だった。受付でも、先生からも40万円。そこは間違いない。
だが実際は、手術代が22万円。今度の上部構造が22万円と言われている。合わせて44万円だ。
40万円は、消費税を含まない話だったのだろう。インプラントは自費診療だから消費税がかかる。40万円の1割で4万円。数字はぴったり合う。
ただ、その説明は聞いていない。悪意があるとは思わない。言い忘れたのだと思う。
これから見積もりを聞く人は、「その金額は税込みですか」と一言確かめた方がいい。4万円は、聞かなかったせいで増える金だ。
請求書が来たら、実額をここに書き直す。
(2026年10月追記)上部構造は言われたとおり22万円だった。手術の日に221,600円、歯を入れた日に227,890円。窓口で払ったのは合わせて449,490円で、自費の44万円に保険の分が少し乗った。全部の明細は7話に書いた。
インプラントの医療費控除|いくら戻るのか(調べた概算)
インプラントは医療費控除の対象になる。自費診療でも、治療が目的なら対象だ。消費税の分も、実際に払った額として計算に入れられる。
俺の申告はこれからなので、ここに書くのは国税庁の式に当てはめた概算だ。実額ではない。
計算式はこうだ。
払った医療費 -(保険で戻った分)- 10万円 = 控除額
ここに、あまり書かれていない話が2つある。
- その年の総所得金額等が200万円未満なら、引くのは10万円ではなく「総所得金額等の5%」。年金だけで暮らしている人はここに当たることが多い。引く額が小さくなる分、控除は増える
- 翌年度の住民税も、控除額の10%が減る。所得税だけで計算している話をよく見るが、実際はこっちの方が大きいことがある
44万円だけを払った年で計算すると、こうなる。
| その年の総所得金額等 | 控除額 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 150万円(年金だけ・税率5%) | 365,000円 | 18,250円 | 36,500円 | 54,750円 |
| 250万円(税率5%) | 340,000円 | 17,000円 | 34,000円 | 51,000円 |
| 400万円(税率10%) | 340,000円 | 34,000円 | 34,000円 | 68,000円 |
| 700万円(税率20%) | 340,000円 | 68,000円 | 34,000円 | 102,000円 |
気をつけたいのは、表の「総所得」は年金の受取額ではないことだ。65歳以上で年金だけなら、受取額から公的年金等控除の110万円を引いた額になる(受取額330万円以下の場合・国税庁 No.1600)。年金の受取額が260万円なら、総所得はおよそ150万円だ。
それと、もともと所得税や住民税を払っていない人は、戻る税金も無い。
ざっと5万円前後。44万円が39万円になる、という話でしかない。
それでも、やらなければゼロだ。消費税で増えた4万円のうち、いくらかはここで戻る。
領収書は治療のたびに必ずもらっておくこと。忘れたら、戻るはずの金が戻らない。通院の電車やバスの代金も対象になる。
相談先は税務署でいい。無料だ。税金の相談を仕事として受けられるのは税理士だけで、保険の窓口では受けられない。俺が実際に申告した手順は、こっちに書いてある。
👉 年金生活者の確定申告|60代の俺がやったら1万〜3万戻った話
治療のあとに見直したこと
手術の前後は治療の話ばかりになるが、終わったあとは自分の手入れの話になる。
俺はこのタイミングで歯磨きを見直した。試したのが「奇跡の歯ブラシ」と呼ばれている商品だ。
先に正直に書いておく。これは1本だけ買うことができない。定期購入が前提だ。俺は2本買って、いったんやめた。縦持ちで磨く癖があるので、使い方が合わなかった。
ただ最近、半年——6回くらいは続けてみようかと思い直している。2本でやめたのは、慣れる前だったかもしれない。歯にかけた40万円のことを考えると、月に何百円かの話でもある。
買い方と解約のやり方、向き不向きは別の記事に全部書いた。



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