66歳のインプラント治療記録【第2話】決断、CTへ

決めた

インプラントへ進む決断

あれから、治療は少しずつ進んでいる。

まず、ブリッジを支えていた大事な奥歯のひとつが虫歯になっていた。
思っていたより状態は悪かったらしい。

治療は、その歯から始まった。
神経の処置はすでに終わっている。だが、すぐに詰めるわけではなかった。

中の状態が落ち着くまで、何度か確認をしていたようだ。
ガーゼのようなものを入れては取り出し、まだ治っている途中なのか、落ち着いたのかを見ているように感じた。

擦り傷がふさがり、かさぶたができていくような――そんな時間なのだろうか。

問題がなければ、最終的に薬を入れ、しっかり封をするのだと思う。
細かいことは分からないが、先生は順番どおり、確実に進めているように見えた。

型を取り、いまは仮歯が入っている。
ここをきちんと整えてから、インプラントへ進むという流れだ。

CTを撮る前、5分から15分ほど準備の時間があった。
正確に写すため、乱反射を防ぐ治具のようなものを作り、それを装着してから撮影するらしい。

撮影後、先生は画面を見せてくれた。
どこを中心にするか、どの位置に入れるか――計算された表示が出ていた。

インプラントを埋め込む長さや深さも、すでに段取りが組まれているようだった。
私は詳しいことは分からないが、先生は画面を指しながら、ひとつずつ説明してくれた。

「見えないところで、ここまで決めているのか」と思った。

その後、骨の状態についても説明を受けた。
結果は――骨はしっかりしているとのことだった。
人工骨を入れる必要もないらしい。

土台は、長すぎるものは不要。
太さが確保できるので、安定は問題ないと先生は言った。

少しだけ、安心した。
骨がスカスカだったらどうしようと
内心ビクビクしていたから、
正直ホッとした。

私は、あと10年か15年か――
死ぬまで使う歯に、金をかける選択をしている。

若い頃の歯の手入れの悪さは、悔やんでも悔やみきれない。
歯は、まぎれもなく「健康資産」だったのだと思う。


CTを撮ったのは初めてだった。
歯科用のCTは、立ったまま撮る。
顔の周りを機械がグルッと回る。
時間は数十秒。痛みもなく、あっという間だった。

だが、その数十秒のデータから
骨の厚み、神経の位置、血管の走り方まで
全部分かるらしい。
技術の進歩というのはすごいものだ。

昔なら、開けてみないと分からなかった。
今は開ける前に、中が見える。
66歳の俺にとっては、
それだけで少し心強かった。


妻にも改めて相談した。
40万円という金額は、
年金生活には大きい。

だが妻は言った。
「食べられなくなったら、もっと金がかかる」
確かにその通りだ。
噛めなくなれば栄養が偏り、
体が弱くなり、医療費がかさむ。
歯への投資は、健康への投資でもある。

費用は40万円。
安いとは言えない。だが、支払いは8月の決算まででよいという。
急いで払う必要はないらしい。

カードで払うか。
一括にするか。
迷いはある。

次の診察では、口の中をきれいにし、消毒をしてから進めるらしい。
そして私は、いくつか確認するつもりでいる。

  • 総額はいくらになるのか
  • 追加費用は出るのか
  • 支払い方法と回数
  • メンテナンス費用
  • 保証はあるのか

聞けば、はっきりする。
聞かなければ、迷いは消えない。

医療は急いで決めるものではない。
納得してからでいい。

この選択が正しかったかどうかは、まだ分からない。
だがひとつ言える。

噛める歯は、当たり前ではなかった。

――この続きは、また書こうと思う。

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