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「不動産があるから、相続税ってかかるんでしょ?」
そう思ってる人、安心していい。
俺の親が亡くなったとき、土地(共有持分)と預貯金があった。でも相続税は申告不要だった。
不動産があっても、多くの人は申告不要のはずだ。
俺の体験から、3つ伝えたい。
1. 相続税は「基礎控除」以内なら申告不要(3,000万円+600万円×相続人の人数)
2. 司法書士に登記だけ頼めば、費用は10万円以下で済む(俺は68,970円)
3. 分からないことだらけでも、司法書士に「何が必要か」を聞いて、書類は自分で集めればいい
なぜそう言えるか。俺の体験を書く。
ふと相続税のことを思い出した
ある日ふと、
「そういえば、親が亡くなったとき
相続税ってどうしたんだっけ?」
と思い出した。
役場にも行ったし、
年金の手続きもしたし、
土地の名義変更もやった。
でも相続税については、
不思議なことに記憶がほとんどない。
悲しみの中で書類をめくる毎日
相続というのは、悲しみの中でやるものだから、
覚えていないのが普通なのかもしれない。
親が亡くなったときは、
とにかくやることが多かった。
死亡届、年金、名義変更。
役場で手続きの順番を教えてもらいながら
一つずつ進めていった。
悲しみの中で書類をめくる毎日は、
本当にしんどかった。
ただ、書類よりむしろ
近所や親戚、兄弟への気遣いの方がきつかった。
悲しんでいる暇もなく、人付き合いをこなしていた。
忙しくして気を紛らわせていたのかもしれない。
そんな中で、相続税の話まで
頭に入っていなかったのは
仕方のないことだったのだと思う。
母の財産はそれほど多くなかった
母の財産といっても、
土地の持ち分と預貯金くらいだったと思う。
家は自分名義だったが、
土地は母と半分ずつの共有だった。
その土地の名義変更は
家を建てたときに手続きをお願いした
司法書士に頼んだ。
郵便局の人の一言
ただ一つ、今でも覚えているのは
郵便局の定期のことだ。
母の体調がかなり悪くなっていたころ、
家に出入りしていた郵便局の人に
こんな話をした記憶がある。
「こんな状態なんですよね」
するとその人が、
「名義のことなども、
考えておいた方がいいかもしれませんね」
そんな感じのことを
さりげなく言ってくれた。
助言だったのか、
ただの独り言だったのか。
今となってはよく分からない。
ただ、あの一言はずっと頭に残っている。
その後、自分で郵便局に行って手続きをした。
解約ではない。
大きな声では言えないが、名義変更だ。
母がまだ元気に動けるうちに、自分でやった。
あとから知った「基礎控除」の仕組み
ずっと後になってから知ったことがある。
相続税には「基礎控除」というものがあって、
3,000万円+600万円×相続人の人数
までは税金がかからない。
日本では、相続税を払う人は全体の1割程度とも言われている。
つまり、ほとんどの人には関係ない話だ。
俺の場合、父は既に他界していたから、相続人は兄と俺の2人。
基礎控除は4,200万円までは非課税だった。
母が残したのは築40年以上の家と、
わずかな貯金だけだ。
おそらく控除額の中に収まっていたのだろう。
つまり、申告そのものが不要だったわけだ。
当時の俺は、そんな仕組みがあることすら知らなかった。
誰かに確認して、うちはかからないと分かったのだと思う。
だから税務署には行かなかった。無視した。
それが結果的に正しかった。
相続人の人数別|基礎控除の早見表
自分のケースを当てはめてみてほしい。
| 相続人の人数 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
| 5人 | 6,000万円 |
故人の財産の合計が、これを下回っていれば申告不要。
一つだけ注意。特例(小規模宅地等の特例など)を使って税金をゼロにする場合は、ゼロでも申告が必要になる。
うちは特例を使うまでもなく、もともと財産が基礎控除の中に収まっていた。だから何の手続きもいらなかった。
「不動産があるから絶対かかる」と思い込んでる人が多いが、地方の土地や築年数の経った家なら、評価額は意外と低い。
うちもそうだった。
不動産の評価額の調べ方は簡単で、毎年4〜6月に自治体から届く「固定資産税の納税通知書」を見れば書いてある。
もしくは、役場で「固定資産評価証明書」を取れば分かる。
もし計算してみて基礎控除を超えそうなら、税理士に相談するのがいい。多くの税理士事務所が初回無料相談をやっているから、まずは聞いてみればいい。
俺のケース|申告不要だった
俺のケースを整理すると、こうだ。
- 相続人:2人(兄+俺。父は既に他界)
- 基礎控除:4,200万円
- 母の財産:土地共有持分+少しの貯金
- 結果:申告不要
不動産があっても、評価額が控除内に収まっていれば申告は不要だ。
ちなみに、兄とは遺産分割協議で話し合って、土地は俺が相続することになった(後ほど詳しく書く)。
司法書士には登記だけ依頼|68,970円で済んだ
今回、当時の領収書を引っ張り出してみた。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 司法書士報酬額 | 54,000円 |
| 消費税(8%) | 4,320円 |
| 印紙代(登録免許税) | 10,650円 |
| 合計 | 68,970円 |
自分の記憶では「30〜40万くらい」と思っていた。実際は7万円弱だった。
当時の俺は「高い」と感じて、そう記憶に残っていたのだろう。
ネット記事を見ると「相続登記の費用は20〜30万」と書いてあるところが多い。でも、それは書類取得まで全部司法書士に丸投げした場合だ。
俺の場合、書類は自分で集めて、登記だけ司法書士に頼んだ。だから10万円以下で済んだ。
書類は自分で集めた|役場2〜3回で苦じゃなかった
司法書士に丸投げすれば全部やってくれる。
ただ、それだと費用が10〜20万円上乗せされる。
俺は書類集めを自分でやった。役場に2〜3回往復しただけ。全然苦にならなかった。
相続関係書類の綴りには、俺本人から始まって、妻と子供、兄弟、親、先祖、親戚まで4代前くらいまでの住民票が綴られている。
昔の住民票は達筆で、なかなか読めない。
ただ、この住民票を見ていると、親の兄弟、親の親、親の親の親、親の親戚まで垣間見えてくる。
自分はこういう人たちの流れの中で生まれてきたんだ——と、ふと感慨深い気持ちになった。
兄に実印|もめなかったから助かった
相続人が複数いる場合、「遺産分割協議証明書」に全員の名前と実印が必要だ。
俺の場合は兄一人。同じ町に住んでいたので、2回往復で済んだ。
これがもめたら大変だ。
ぐずぐず言う兄や、口を出してくる義理の嫁がいなかったから助かった、と今でも思う。
やっておけばよかったこと
今になって思うのは、
親が元気なうちに
財産の話をしておけばよかった、ということだ。
何がどこにあるか。
通帳はいくつあるのか。
保険は入っているのか。
親が亡くなってから全部調べるのは、
精神的にも体力的にもかなりきつい。
せめてメモでもいいから、
どこに何があるか書いてもらっておけばと
何度も思った。
こればかりは、経験してからでは遅い。
まとめ|分からないことだらけでも、聞けば進む
ここまで読んでくれてありがとう。
最後に、当時の俺が知りたかったことを、もう一度整理する。
1. 相続税は基礎控除(3,000万+600万×人数)以内なら申告不要
2. 司法書士には登記だけ頼めば10万円以下で済む(俺は68,970円)
3. 書類は自分で集められる。役場2〜3回往復で十分
4. 遺産分割協議証明書は相続人全員の実印が必要。もめないことが一番大事
そして、何より伝えたいのは——
とにかく分からないことだらけ。司法書士に「何が必要か」を聞いて、書類を集めればいい。
恥ずかしいことじゃない。
ほとんどの人が初めて経験することだ。
分からないことはそのまま聞けばいい。
そこから順番に手続きは進んでいく。
関連|手続き全体・介護からの流れ
相続税の前に、親が亡くなった後の全体の手続きはこっち。
そして、相続の手前にあるのが介護。俺は親の介護を5年やった。
👉 在宅介護がもう限界|親を5年介護した俺が辿り着いた2つの答え
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この記事は、親を見送るまでの記録の一部です。全体の地図はこちら。


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