うちの電話が鳴るたびに、嫁の顔が曇った。
俺が現役で仕事をしていた頃、昼間は家にいない。嫁は主婦だから家にいる。電話が鳴るたびに出る。そして戻ってきた顔が暗い。
「また変な電話やった」
不用品を買うとか、保険の話とか、新電力に替えないかとか。女の声で「〇〇を買ってくれませんか」という電話もあった。しつこい。一度出ると何度もかかってくる。
「電話を変えてくれ」と嫁が言い出したのは、もう10年以上前のことだ。
電気屋に行って、ナンバーディスプレイ付きに替えた
正直、最初はピンとこなかった。電話を替えたところで、かかってくるものはかかってくる。そう思っていた。
でも嫁のうるさいのに根負けして、電気屋に行ったついでに買った。ナンバーディスプレイ付きの電話機に。これが正解だった。
ナンバーディスプレイの仕組みはこうだ
電話が鳴ると、番号が画面に表示される。
登録してある番号なら名前で出る。登録していない番号なら番号だけ出る。そこで「怪しいな」「知らない番号だな」「でも近所かもしれない」と判断できる。
そのときに使うのが「お名前確認モード」というボタンだ。
これを押すと、電話口に自動でガイダンスが流れる。「ただいまお名前確認モードになっております。お名前をおっしゃってください」という音声だ。
これで相手が勝手に切ってくれる。
本当に用事がある人は名前を言う。詐欺や営業の電話は、名前を聞かれた瞬間に切る。それだけのことで、嫁のストレスはずいぶん減った。
今は俺も家にいる時間が長くなった。自分でこのボタンを押す機会も増えた。使えば使うほど、よくできた機能だと思う。
着信履歴が残るので、番号を調べてみた
ナンバーディスプレイにしてわかったことがある。履歴が残るのだ。
かかってきた番号を、試しにYahoo検索で調べてみた。出てくる出てくる。「jpnumber」というサイトで、その番号にアクセスした人数、検索した人数、口コミの件数まで全部わかる。
ある番号のアクセス回数は1,947回。口コミには「出た瞬間に切れた」「何度もかけてくるしつこい」と書いてある。
俺だけじゃなかった。みんな同じことをやっていた。業者の正体は「新電力への乗り換え代行」だった。
メモにはこれだけの番号が残った
嫁はずっとメモを取っていた。
不審な着信があるたびに、小さな伝言メモに番号と内容を書き残していた。エコ○○という業者、不用品回収、保険代理店、ソーラーパネル、NTTを名乗る電話。050、080、0120、03。番号の種類も様々だ。
メモは6枚。1枚に12行だから、ざっと72件。10年でこれだけたまった。
それでも完全には防げない
初めてかかってくる番号は、出てみないとわからない。完璧な対策はない。
ただ、嫁が一人で家にいるときの不安は、あの電話機交換でずいぶん減った。電話が鳴るたびに顔が曇る、というのはもうなくなった。
「お名前確認モード」のボタンひとつで、向こうが勝手に切ってくれる。それだけのことが、ずいぶん効いた。
固定電話、どうするか
結局のところ、選択肢は2つだと思っている。
いらないなら解約が一番早い。それが一番すっきりする。
いるなら、対策できる電話機に替えることだ。ただし、メーカーや機種によって機能が違う。「お名前確認モード」はうちのシャープの電話機(JD-G55)についている機能で、全部の電話機にあるわけではない。買い替えるときは確認した方がいい。
もう一つ大事な注意がある。電話機を買うだけでは、番号は表示されない。NTTの「ナンバー・ディスプレイ」という契約(月額440円ほど)が別に必要だ。調べると、70歳以上の契約者は無料になる措置もあるらしい。申し込みが要るから、NTTに確認してみてほしい。
うちのは10年以上前に1万円ほどで買ったものだ。それでも今も現役で動いている。
携帯電話には「電話帳ナビ」を入れておけ
固定電話の対策はできた。でも今は携帯にも怪しい電話がかかってくる。
そのときに役立つのが「電話帳ナビ」というアプリだ。無料で使える。
知らない番号から着信があったとき、自動で「この番号は迷惑電話の報告があります」と表示してくれる。出る前にわかるのが強い。
- iPhone:App Store で「電話帳ナビ」と検索
- Android:Google Play で「電話帳ナビ」と検索
▶ 電話帳ナビ(App Store)
▶ 電話帳ナビ(Google Play)
俺がこのアプリを入れてから、もう1年近くになる。その間に4、5回は「注意が必要な電話」という表示が出た。全部無視した。それだけのことだが、出なかったことで何かを防げたかもしれない。
知らない番号には、まず出ない。本当に用があるなら、相手は名乗るか、かけ直してくる。それが基本だと思っている。
固定電話はナンバーディスプレイで対策、携帯はこのアプリで対策。両方やっておけば、だいぶ違う。


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