介護のお金は、足りなくても何とかなる|順番と制度を60代が調べて書き残す

階段から落ちた財布を、大きなクッションが受け止めているイラスト 迷った

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母が倒れたのは、2010年だった。脳卒中で、右半身が動かなくなった。

そこから5年、俺は母を家で介護した。そのしんどさは在宅介護がもう限界だった話に書いた。今日書くのは、その入り口の話だ。「親の介護が始まる。何をすればいい。金は足りるのか」——あのとき俺が知りたかったことを、順番に書き残しておきたい。理由は、最後に書く。

先に結論だけ言う。金がなくても、介護は受けられる。その仕組みも、順番に書く。

介護は、役場から始まる

まず、流れはこれだけだ。

  1. 役所に申請する(市区町村の窓口か「地域包括支援センター」に「介護が要ります」と届ける。本人でなくても、家族が代わりに動いていい)
  2. 調査員が本人の状態を見る(入院中なら病院でも)。かかりつけ医が意見書を書く
  3. 審査で要介護度が決まる(「要支援1〜2」か「要介護1〜5」。原則、申請から30日以内)
  4. ケアマネジャーを決める。ケアプラン(サービスの利用計画)を作ってもらう
  5. サービス開始

ここまで、手続きそのものにはお金がかからない。申請も、調査も、医者の意見書も、ケアプラン作りもだ。これは意外と知られていない(意見書のために新しく受診すれば、その診察代はかかる)。

ちゃんめめ
ちゃんめめ

うちも、手続きでは払った覚えがない。

俺のときは、こうだった。母の調査は、家じゃなく入院先の病院で受けた気がする。認定は、たしか要介護3。ケアマネは、友人の看護師さんに「いい人を紹介してくれ」と頼んだ。コネで探した。今思えば、地域包括支援センターに聞けば紹介してもらえる。

ちゃんめめ
ちゃんめめ

あのとき包括支援センターを知らなかった。それだけで遠回りした。

で、いくらかかるのか

  • 月にかかる金:平均9万円(在宅なら5.3万円/施設なら13.8万円)
  • 最初の出費(介護ベッド、家の改造など):平均47.2万円
  • かかる期間:平均で4年7か月

(生命保険文化センター・2024年度の調査)

ちゃんめめ
ちゃんめめ

うちはベッドを借りられた。改造もしてない。

ポータブルトイレは買い取りだったが、家の改造まではしなかった。全員が47万かかるわけじゃない。

数字を並べると、たしかに重い。俺も、正直ひるむ。だが、ここで閉じないでほしい。ここからが本題だ。

親の介護、お金がないとどうなる

ここが一番大事だ。「金がなければ介護は受けられないのか」——そうはならない。国の制度は、段になっている。下に落ちても、受け皿がある。

  1. 自己負担には上限がある。ふつうの所得の世帯なら、ひと月44,400円を超えた分は「高額介護サービス費」として戻ってくる(青天井じゃない)
  2. 住民税がかからない世帯なら、施設の食費・部屋代が安くなる(「負担限度額認定」。役場の介護保険の窓口で聞く)
  3. それでも苦しければ、社会福祉法人の「利用者負担軽減」という制度がある。自己負担の4分の1が軽くなる(タダになるわけじゃないが、確かに軽くなる。これも窓口で聞ける)
  4. 最後の砦は生活保護だ。「子供がいると受けられないんじゃ」と思いがちだが、親族に相談してからでないと申請できない、ということはない(厚生労働省が明記している)。援助してもらえるなら、それが先に使われる。断られても、申請はできる。保護が始まれば、自己負担分は「介護扶助」として支給される。つまり、実質ゼロで介護は受けられる

金がなければ介護を受けられない、という国ではない。


【PR】施設の相場は、この記事に書いた月13.8万円が目安になる。ただし地域や施設で幅がある。俺は親を家で見たから、施設は使っていない。だが調べてみると、老人ホームの資料をまとめて無料で取り寄せられるサービスがある。相談も見学の手配も無料で、全国が対象だ。いざとなってから探すと、気持ちの余裕がないまま決めることになる。数字の実物を先に見ておくほうがいい。

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それでも、自信はない

ただ、金と制度で片がつくなら、話は簡単だ。現実は、そうじゃない。

新聞に、介護する側もされる側も65歳以上という「老老介護」が63.5%、75歳以上同士が35.7%で、どちらも過去最高という数字が出ていた(厚生労働省・2022年の調査)。

制度があっても、金があっても、本人が「施設は嫌だ」と言い、家族が「まだ家で看られる」と抱え込む。そうやって、老いた者どうしで支え合って、共倒れになる。俺にも、覚えがある。母を家で看ていた5年、俺は限界まで行った。

順番も、金の話も、こうして調べた。頭ではわかっている。

でも、いざ自分が「施設に入りませんか」と言われる側になったとき、素直にうなずける自信はない。認知症にでもなれば、判断力そのものがなくなる。そのとき自分が何を言い出すか、俺にもわからない。

金の順番より先に、俺が調べて決めたことは親を見送るまでにやったこと(まとめ)に全部書いてある。

だから、まだ判断できるうちに、この順番と数字だけは書き残しておく。俺のためにも、これを読んでいるあなたのためにも。

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